さぶかるもん

アニメ歴約20年、ドラマ歴約5年の硬派オタクによる備忘録

2016年10月放送開始アニメ 視聴継続作品 2話までの感想

一通り新作を見終えたので、2話の時点で視聴継続予定の作品の簡易感想を好み順に書いていきます。

 

『終末のイゼッタ』

久々の亜細亜堂オリジナルアニメで、藤森雅也監督による大人向け作品ということで注目していました。『純潔のマリア』の延長線上の話な印象で、今後の世界観の広がりに期待。

 

3月のライオン
詩的で繊細な心情描写を、見事に映像に落とし込んでおり、メリハリもよい。

 

『ユーリ!!! on ICE』
アニメでフィギュアスケートとは、アニメーターに負荷がかかる企画だなと思いましたが、見事に表現されていて感嘆。物語も軽快で、盛り上がる展開。

 

『フリップフラッパーズ』
世界観がまだ不明なので、ストーリーに関してはなんとも言えませんが、異世界描写は押山監督が参加した『スペースダンディ』チックな感じでビジュアル的に楽しい。

 

舟を編む
既に日本アカデミー賞を受賞した映画があり、今更感とハードルが上がる企画に疑問はあるものの、アニメならではの表現もあり、よく出来ており、芝居も細かくて、『惡の華』の経験が活きている感じがします。
 
デジモンユニバース アプリモンスターズ』

今のところギャグ要素が強いけど、人工知能が、アプリにウィルスを仕込んで悪さをしているという設定で、シリアスな展開にも出来る要素があり、今後に注目。

 

TRICKSTER
少し未来を舞台にした、探偵ものですが、割とオーソドックスな内容で、小林少年の特殊能力が浮いている感じ。今後、怪人二十面相が絡んでバトル要素が増えてくるのか、ちょっと色々未知数。

 

ALL OUT!!
初のラグビーアニメ。王道なスポーツアニメで、安定した面白さ。

 

タイガーマスクW』
過去作はほぼ未見。プロレスに関しては、昔、WWEを観ていた程度ですが、それを彷彿させる展開で、楽しめる。今後、過去作のようにエグい展開になるのかどうか。

 

Occultic;Nine -オカルティック・ナイン-』

あちこちに話が飛びすぎて、散漫な印象。最終的に綺麗に繋がればいいけど、オカルト要素が安売り的にどんどん出てくるので、何でもあり感が強くなり、驚きが少ないのが難点。

 

『クラシカロイド』
豪華アーティストの力と、ノリで押し切っているところがあり、これからの展開次第。

 

『装神少女まとい』
WHITE FOX初オリジナル作品。和風の変身少女ものですが、ストーリーは割と普通で、今後テーマ性が深まるかどうか。

 

『Lostorage incited WIXOSS
前作は途中で脱落しましたが、スタッフも一新され、改めて視聴。負けたら全ての記憶を失い、完勝したら自分の記憶を操作できるという、釣り合いが取れていない感じのルールで、相変わらず暗い物語ですが、スタッフからすると最終的にはハッピーエンドの方向にまとまりそうな予感。

 

魔法少女育成計画
男が魔法少女になれるという部分以外は目新しさはなく、『まどマギ』系譜の魔法少女もので、今のところ予想通りの展開。

2016年10月放送開始ドラマ 期待度ランキング

期待度の高い順に作品を紹介します。

 

1. IQ246〜華麗なる事件簿〜

http://www.tbs.co.jp/IQ246/

脚本:泉澤陽子、栗本志津香、原涼子 演出:木村ひさし、坪井哲雄、韓哲

出演:織田裕二土屋太鳳ディーン・フジオカ中谷美紀 ほか

 

タイトル通り、IQ246の貴族の末裔の男が主人公のミステリー。木村ひさしさんがチーフ演出なので、安心して楽しめそうですが、脚本は若手の女性脚本家の方々で、話の方の出来は未知数。

 

2. 砂の塔〜知りすぎた隣人

http://www.tbs.co.jp/sunanotou/

 

脚本:池田奈津子 演出:塚原あゆ子 、平野俊一棚澤孝義

出演:菅野美穂松嶋菜々子、岩田剛典 ほか

 

アリスの棘』スタッフによる、タワーマンションを舞台に女の闇を描くサスペンス。

 

3. スニッファー 嗅覚捜査官

http://www.nhk.or.jp/dodra/sniffer/

 

脚本:林宏司、山岡潤平、真野勝成 演出:堀切園健太郎、橋爪紳一朗

出演:阿部寛香川照之井川遥板谷由夏 ほか

 

原作は、ロシアでヒットした、ウクライナ制作のドラマ。

 

4. プリンセスメゾン

http://www.nhk.or.jp/dramatopics-blog/31000/251624.html

 

脚本:髙橋泉、松井香奈 演出:池田千尋、大橋祥正 

出演:森川葵 ほか

 

漫画原作。20代後半、居酒屋勤務、年収250万円の女性が「マンション購入」を目標に生きる、リアル体験型ドラマ。脚本の髙橋泉さんは、映画監督でもある方と同一人物かは不明。

 

5. 吉祥寺だけが住みたい街ですか?

http://www.tv-tokyo.co.jp/kichijoji/

 

脚本:山田あかね 演出:菅井祐介、望月一扶、ペヤンヌマキ 

出演:大島美幸森三中)、安藤なつ(メイプル超合金

 

漫画原作。不動産屋を営む姉妹が住みたい街No.1の吉祥寺以外の魅力を伝えることに奮闘する、街ブラお引越しドラマ。

 

6. 家政夫のミタゾノ

http://www.tv-asahi.co.jp/mitazono/

 

脚本:八津弘幸 演出:七髙剛

出演:松岡昌宏

 

タイトルが思いっきり『家政婦のミタ』を意識したものとなっていますが、公式では、"テレビ朝日の大ヒットドラマシリーズといえば『家政婦は見た!』"と、こちらが本家だと念押し(笑)

 

7. キャリア 〜掟破りの警察署長〜

http://www.fujitv.co.jp/career/

 

脚本:小山正太、関えり香 演出:石川淳一 、山内大典

出演:玉木宏、髙嶋政宏、瀧本美織  ほか

 

チーフ演出は『リーガル・ハイ』の石川さんだけど、ハイテンション・ハイテンポな作品になるのか。

プレミアムよるドラマ『ママゴト』 1話感想

【演出】中田秀夫

【出演】安藤サクラ、小山春朋(子役)、臼田あさ美古舘寛治根岸季衣杉本哲太 ほか

NHKBSプレミアム放送のドラマ。演出はホラー映画でおなじみの中田秀夫さんですが、漫画原作の人情子育てもので、主人公のスナックのママ「映子」が、昔、風俗店で働いていた頃の友達が急に現れて「子どもを預かって欲しい」と頼まれ、断るが、子どもを置いてどこかにいってしまって、不本意ながら預かるという形になるという話。

概要だけでは、重たい話のように思うかもしれませんが、映子はサバサバとしてガサツな性格、子どもは小生意気で底抜けに前向きな性格で、2人のやりとりなどが笑えるものになっており、割とコメディ要素が強く、それでいて1話で語られる映子の悲しい過去を絡めたほろりとする展開が巧く、万人に勧められる内容です。

2016年7月放送開始アニメ 視聴継続作品 簡易感想(2話時点)

2話の時点で視聴継続予定の作品の簡易感想を面白かった順に書いていきます。

モブサイコ100

とりあえず、キャラが生き生きと動いているのが愉しい。ストーリーは、ギャグ要素が強いけど、青春ものとしてどう転がるかが今後のポイント。

91Days

ストーリーは一番面白いのですが、アニメならではの要素が薄いので、2番目。復讐劇がどんな結末を迎えるのか。

Rewrite

キャラ自体はテンプレな感じですが、ノリは良く、続きが気になる構成。

テイルズ オブ ゼスティリア ザ クロス』

相変わらず自分がufotableに求めている方向性のものとは違い、手堅い企画ですが、テイルズ作品だけあって壮大で魅力的な世界観。

ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン

今のところ、精霊の存在があまり活きていないけど、名将の采配的な楽しみ方をしています。

美男高校地球防衛部LOVE!LOVE!』

前期もなにげに最後まで見ていて、気楽に楽しめる娯楽作。

タブー・タトゥー

アクションのクオリティが高く、ベテランの関島眞頼さんがシリーズ構成(共同)なので、安心して楽しめる作り。

レガリア The Three Sacred Stars

山下将仁さんが、原画、メカ作監で参加しており、メカ作画に気合いが入りまくってるのは素晴らしいですが、ストーリーはいまいち。

『タイムトラベル少女~マリ・ワカと8人の科学者たち~』

教材的な伝記SFで、いい子ども向けアニメだと思います。

チア男子!!

このままのペースだと、メンバー集めだけで終わってしまうんじゃないかと心配ですが、キャラもよく、ストレートな青春もので、それなりに楽しめます。

スカーレッドライダーゼクス

原作は乙女ゲーのようですけど、ノリは完全に戦隊シリーズ風で、男性でも楽しめると思います。

『orange』

手紙の初めの方に重要なことをなぜ書かなかったのか疑問があったりするけど、浜崎博嗣監督による丁寧な日常描写など見応えがある。ただ、あんまり主人公たちに好感を持てない(笑)

『パズドラクロス

方向性がまだよく判らないので様子見。今のところバトルがあまり面白くないのが不安。

『神の舌を持つ男』 1、2話 感想

堤ワールド満載であるが、『TRICK』ほどはっちゃけておらず、今のところ2時間サスペンスのパロディの域を出ていない。舞台もメインが温泉地なのであまり代わり映えせず、ミステリーの部分でもいまいち。

脚本家の櫻井武晴さんは、これがTBSでの全話脚本担当作品の3本目になりますが、どんどん櫻井さんらしさが削がれていて、コナン映画では成功していますが、同じ『相棒』で有名になった脚本家の古沢良太さんと比べると、仕事に恵まれていない印象をどうしても持ってしまいます。

『コンクリート・レボルティオ〜超人幻想〜』総評 内向きで響くものがあまりなかった

「正義」とはトラウマのようなものだ
これは精神科医斎藤環さんが08年にPHPオンラインの連載で『ダークナイト』を主軸に語った理論で、この作品の主人公たちもそれを背負っており、個人的には大好物な話で期待していたんですが、いまいち乗れなかったのが正直なところ。斎藤環さんのコラムの締めくくりとして
もはや正義に単純な希望を託すことはできない。それはもはや、ノスタルジーの身ぶりとしてしかありえず、その意味で希望は過去にしかない、のかもしれない。
しかし「9.11」以後の世界において、「正義」をこのように相対化し、懐疑してみる姿勢はもはや避けることはできない。それはいささか寂しいことかもし れないが、認識としては前進なのだから。そこから先に何が見えるかはまだわからない。
とあるのですが、この作品はそこから先には達しておらず、前段のところに留まっており、外に対して説得力のあるものを提示できていなかったように思います。特撮愛、サブカル愛に溢れているのは、まあ伝わるのですが、脚本の會川さん個人の自分史の整理を作品でやっている感が強かった。
 
内容の面以外では、台詞に頼りすぎており、話の運び方が理屈っぽいので、ちょっと観ていて疲れる面があり、エンターテイメントとしてはいまいち。脚本に引っ張られてか、演出もアクション以外は、作画も低調で、単にキャラを喋らせているという感じが強く、深く印象に残るシーンがあまりありませんでした。若者受けを意識してか知りませんが、中途半端に世界観を子ども向けっぽくしたり、バラエティ要素を入れたりせず、シリアスな大人のエンターテイメントとしてやった方が良かったのではと思います。
 
水島精二監督と會川さんコンビの作品としては、『大江戸ロケット』のようなものをまたやって欲しいです。
 

 

 

 

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話がまともに作れないならポエムを書けばいいと思うよ 『キズナイーバー』&『迷家』の難点 ②

前回の記事はこちら

 
今回は『迷家』についての感想とまとめを書いています。
 

迷家-マヨイガ-

こちらはホラーなので設定の粗はそこまで気になる部分はなかったのですが、何故わざわざ生活環境の不明な都市伝説の村で人生をやり直そうとするとかという動機の説得力が弱い。あと、納鳴村について調べる過程でこはるん父の研究に行き当たらなかったのかなと。
 
そして、30人もの登場人物を捌ききれずに、結局、最後が駆け足展開となってしい、情緒もへったくれもないたたみ方。
 
内容においては、ネタ要素が強く、何を魅せたいのかぼやけてしまっている。これは、現代の視聴スタイルに合わせて話題になりやすくしようとした結果かもしれませんが、トラウマ含めてネタ消費に還元されてしまい、感情移入を妨げる方向に働いてしまっていると思います。そもそも、ホラーものとして全然怖くないのは致命的。
 
結論は、『キズナイーバー』と同じ感じですが、この作品はドライさがあり、しいていえばこちらの方が好みで、登場人物を減らし、キャラの深堀をちゃんとしていれば、いい作品になったんじゃないかなと思います。
 

まとめ

個人的には非常に残念な出来でしたが、世間的に受けてヒットしたなら、企画としては成功なので、そこは納得します。しかし、今のところ1巻の円盤の売り上げは『キズナイーバー』は1300枚程、『迷家』は発売前ですが同程度と見込まれており、商業的には失敗と言えるでしょう。
 
当然、売り上げが全てではないのですが、この2作品は、企画側の姿勢として「流行りからずれていて売れないかもしれないけど、自分たちが信じる良い作品を作ろう」といった類のものではなく、宣伝文句(アニメ業界の先頭を突っ走るヒットメーカーによる奇跡のコラボレーションプロジェクトが始動! by 迷家)等からしても「話題性があり、売れるような作品を作ろう!」という算段が強い面がある企画だと思うので、そこを考えれば、完全に目算が外れてしまった結果だと思います。
 
タイトルで脚本家を揶揄するようなことを書きましたが、脚本家に全ての責任があると思っているわけではなく、スケジュール(予算)の問題、製作委員会方式の問題など、様々な要因が絡んでいて、一様には言えないでしょう。
 
一つの改善案としては、ハリウッドがやっているようなスクリプト・ドクターを導入することが考えられますが、日本には殆どいないようなので、現実的に導入するとしても時間がかかりそうです。
 
とはいえ、仮に製作関係者の多くが、これを自信満々にいい作品だと自負しており、今回は当たらなかっただけ、仕方ない。というような意識でいるとしたら、システムの問題以前の話で対処しようがありませんので、そうではないことを願いたいです。