【 亜人ちゃんは語りたい 】評 マイノリティへの合理的配慮のあり方、理想的な向き合い方
「亜人ちゃんは語りたい」の世界は、怪物や妖怪が亜人(デミ)と呼ばれ、一般社会に自然に溶け込んでおり、社会的な弱者として亜人に対する「生活保障」が出ていたりするといった設定で、物語は、高校を舞台とした亜人に興味がある教師と、亜人の生徒との交流を中心に描いた学園ものだ。
出てくる亜人は、女性のみで、「ヴァンパイア」、「デュラハン」、「雪女」の生徒と、「サキュバス」の教師がメインキャラで、基本的には男性向け日常系の緩いコメディの体裁だが、根底としてはマイノリティに対する優しい視座があり、教師が生徒の亜人特有の悩みについての相談にのっていき、理解を深め、生徒たちの成長が描かれる青春ドラマである。
まず、合理的配慮とは何かを説明すると、障害者権利条約で『障害のある人が他の人同様の人権と基本的自由を享受できるように、物事の本質を変えてしまったり、多大な負担を強いたりしない限りにおいて、配慮や調整を行うことである』と定義されているもので、具体的な解説は以下の記事を読んで頂きたく思います。
障害者差別解消法、社会に求められる“合理的配慮”とは? / 大野更紗×近藤武夫×荻上チキ | SYNODOS -シノドス-
作品における、合理的配慮のケースとして、一番わかりやすいのは、頭部と胴体が分離している「デュラハン」の話で、デュラハンは常に頭を抱えていないといけないことから、教師の高橋鉄男が、学校指定の手提げカバンでは不便だから、リュックで通学することを許可してほしいと校長にお願いするエピソードで、これは正に合理的配慮そのものだ。
また、高橋鉄男の亜人への向き合い方が、マイノリティに対しての向き合い方に通じるもので、それを現す重要な代表的なセリフを引用する。
「物の見方は一方向ではダメだ。双方向でしかるべきだ。亜人の特性だけ見ていると、個性を見失う。人間性だけ見ていると、性質に起因する特有の悩みの原因にたどり着けない。どちらも大切だ。バランスが大事なんだ。」
これと関連して、亜人たちに対してどう接すればいいか悩む同級生たちの会話も重要なので引用。
「亜人の事って同じ人間だと思っていいのかな?」
「俺たちと違うっていうのか?そりゃ、差別ってもんだろ?」
「そうかな?さっき亜人は普通の人とほとんど変わらないって言ってたけど、それはつまり違うところはあるってことでしょ。そこを見ないで、同じ人間だって、それこそ差別なんじゃないかな?同じと思ってる人間に特有の悩みを相談したいと思う?」
この会話は、教頭が高橋先生に「あなたに頼りすぎているのは、あの生徒たちにとってよくない。様々な人との交流によって悩みを解決していく方が良いのではないか?」と進言したのを一人の生徒が聞いて、なぜ自分たちに相談してくれないのかというのを話し合ったもので、これは、しっかり亜人固有の特性を理解し、合理的な配慮を考えたうえで対等に付き合うことの大切さを説いており、作品全体を通じてインクルーシブ教育(詳しくは記事参照)の理想的なあり方が示されています。
この作品を観て、現実のマイノリティについて思いを巡らし、理解しようとする人が増えることを願いたいですが、感想を眺めてみると単にキャラ萌え青春アニメとしか捉えていない感想も目立ち、現実のマイノリティ理解の深化の難しさも垣間見ました。
表現することの根源を問う『カルテット』
この作品から色々語れることは多く、どういった方向で感想を書こうか迷ったのですが、最終回で4人に宛てられた手紙を軸に、クリエイター論を語ってみたいと思います。
まず、カルテットドーナツホールに送られた手紙の引用。
皆さんは奏者として才能がないと思いました。世の中に優れた音楽が生まれる過程でできた余計なもの。みなさんの音楽は、煙突から出た煙のようなものです。価値もない。意味もない。必要ない。記憶にも残らない。私は不思議に思いました。この人たち煙のくせに何のためにやってるんだろう。早く辞めてしまえばいいのに。~ 教えてください、続けることに価値があると思いますか?意味があると思いますか?将来があると思いますか?
この手紙の問いかけに対して、届く人に届けばいい。と、ドラマ上では回答が示される。
プロの作品でも、世に出た表現は、それぞれの基準で評価される運命であり、自分にとって、価値がない、必要ないと判断したら、切り捨てるということを私たちは日常的にやっていて、それはドラマの中でコンサートの1曲目が終わったあと席を立ち帰る人たちの姿と重なる。
その審判を受けているのは、このドラマそのものもしかりで、視聴率だけでいえば平均8.9%と、圧倒的多数が観ていないという現実があるが、twitter上での盛り上がりの活況が示す通り届く人には届いているわけであり、これは全てのクリエイターに対するエールとして受け止めることが出きると思います。
そして、家守のパセリ講義。
パセリがないと寂しいでしょ。殺風景でしょ。食べても食べなくてもいいの、ここにパセリがいることを忘れちゃわないで。
一部のアニメファンの間では、殆ど話題にならず、存在感の薄い作品が空気アニメと評されたり、アニメファンに限らず、売れた作品が価値あるもの、そうでないものは無価値みたいな風潮があると感じることがあるが、パセリのくだりは、一部のマニアしか好まないような作品にも価値があり、意味があるという力強い改めて宣言するセリフである。
ただ、これは作り手を甘やかすものではなく、釘をしっかり刺してもいる。それはカルテットドーナツホールがコンサートに向けて、練習の場面以外でも演奏のことを考え、手を動かす別府や家守たちの姿勢に現れており、3流ながらもベストを尽くそうと、ひたむきだ。4人が最初に出会った時に語られたように、自分の気持ちが「飛べ!飛べ!」という願いが込められており、「届く人に届けばいいやー」といった諦観したような態度でいい加減になるな、手紙の問いを常に自分自身にも問いかけろという厳しさが、そこにはあるのだ。
2017年春ドラマ 注目作8選
いつも通り、とりあえず1話は全て観ると思いますが、個人的期待度の高い順に作品を紹介します。
CRISIS 公安機動捜査隊特捜班
http://www.ktv.jp/crisis/index.html
【脚本】金城一紀
【出演】小栗旬 、西島秀俊、田中哲司、野間口徹、新木優子、長塚京三 ほか
金城さんが5年前から小栗旬主演作として構想を練っていたそうで、期待が高まりますが、演出面は少々不安も。
SRサイタマノラッパー~マイクの細道~
【監督・脚本】 入江悠
【出演】 駒木根隆介、水澤紳吾、奥野瑛太、山本舞香、皆川猿時 他
3部作の映画の続編。今回主題歌を担当するライムスター宇多丸さんが、ラジオで2009年のベスト1位に挙げており、評価が高い作品。
リバース
http://www.tbs.co.jp/reverse_tbs/
【原作】湊かなえ
【脚本】奥寺佐渡子、清水友佳子
【演出】塚原あゆ子、山本剛義、村尾嘉昭
【出演】藤原竜也、戸田恵梨香、玉森裕太、小池徹平、三浦貴大、門脇麦、市原隼人
『夜行観覧車』、『Nのために』と同原作者の作品を手がけるスタッフ再結集。
フランケンシュタインの恋
http://www.ntv.co.jp/frankenstein_koi/
【脚本】大森寿美男
【演出】狩山俊輔、茂山佳則
【出演】綾野剛、二階堂ふみ、柳楽優弥、川栄李奈、新井浩文、光石研、榎本明 ほか
脚本は大森さんで、演出は『怪物くん』、『妖怪人間ベム』と怪物ものはお得意ジャンルの狩山俊輔さんと期待ができる布陣なんですが、キービジュアルを見る限り、フランケンシュタインがちょっと事故にあった綾野剛というレベルで、全然怪物感がなく、その時点でダメだろう!と思ってしまう(^^;)
女囚セブン
http://www.tv-asahi.co.jp/joshu-7/
【出演】剛力彩芽、山口紗弥加、トリンドル玲奈、平岩紙、橋本マナミ、木野花、安達祐実
このキャストで、女囚人同士の争いという題材が面白くならないはずがないということを信じて。
100万円の女たち
http://www.tv-tokyo.co.jp/100man/
【原作】青野春秋
【脚本】山田能龍、室岡ヨシミコ、中園勇也
【監督】藤井道人、原廣利、桑島憲司
野田さんは、2015年の映画『トイレのピエタ』で主演として俳優デビューし、日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞しており、早くもテレビ初出演で主演。しかも、主題歌にコトリンゴという、なんか便乗感がありありな感じもしますが(笑)、話題作の一つとなることは間違いないでしょう。
この世にたやすい仕事はない
http://www.nhk.or.jp/dramatopics-blog/20000/262483.html
【原作】 津村記久子
【脚本】 土田英生、ブラジリィー・アン・山田
【演出】 松田礼人
「 お仕事小説」を得意とする津村記久子さん原作。
貴族探偵
http://www.fujitv.co.jp/kizoku/
【原作】麻耶雄嵩
【脚本】黒岩勉
【演出】中江功、金井紘、相沢秀幸
【出演】相葉雅紀、武井咲、生瀬勝久、井川遥、仲間由紀恵、滝藤賢一、中山美穂、松重豊
月9枠でのミステリー作品は、これまでハズレはない感じなので、期待したいところ。
2017年冬季アニメ 視聴継続作品の感想
1月放送開始アニメの6話までの感想です。今回から、続編作品含めての感想を書いていきます。好み順に並んでいます。
『昭和元禄落語心中』
ストーリーも抜群に面白いし、落語に限らず、文化、とりわけ大衆文化について、時代変化の中でのあり方の講釈も興味深い。
『3月のライオン』
全22話のようですが、二階堂の話で締める感じになるのかな。
『鬼平』
1話、1話よく出来ていて、満足度は高いけど、そろそろ連続した長大なストーリーが欲しいところ。
『チェインクロニクル ~ヘクセイタスの閃~』
勇者としての苦しみを描き、闇に落ちてしまうという展開は面白いけど、しっかり収集できるのか不安な部分も。
『ACCA13区監察課』
ストーリーが大きく動きだしそうで、なかなか動かないという、なんとももどかしい、ゆったりとした展開。終盤にかけてどんどん盛り上がっていけば良いのですが。
『リトルウィッチアカデミア TVアニメシリーズ』
この世界では、魔法が時代遅れで役に立たないものということが語られましたが、それが明らかな描写がないのでストンと落ちない面も。魔法が一般的にどう使われているのかという描写が欲しい。
『亜人ちゃんは語りたい』
雪女のエピソード中心に、他人との向き合い方について語られ、6話ではある種の理想的な家族が描かれ、一通り、基礎的な亜人を巡る話は語られたので、以後の展開はどうなっていくのか。
『ALL OUT!!』
生徒達の話よりも、顧問の先生やコーチのエピソードの方にしんみりしてしまう(笑)
『テイルズ オブ ゼスティリア ザ クロス』
テーマ性が深まってきて、今後の展開に期待が高まりますが、俺たちの戦いはこれからだ!ENDになりそうな感じも強く、落とし所をどうするかが肝要。
『TRICKSTER』
花崎のキャラ転向はちょっと唐突で、どんどん暗いストーリーになり、承認を巡る話でうだうだしすぎているところは微妙な感じ。小林の過去とか、能力の秘密など曖昧にならなければいいが…
『霊剣山 叡智への資格』
スタッフがほぼ一新され、シリアス感が増したところはありますが、ネタ要素は健在で安心。王陸がどんどん道を踏み外してる感があるけど、どこに着地するのか興味深い展開。
『風夏』
またヒロインらしき人が増えて、ギャルゲー感ましましで、萎える部分が増えてきた。バンド活動が本格的になり、恋愛要素以外のところで盛り上ってくれればいいのですが。
『クズの本懐』
各々、ただ色情に溺れているようにしか見えず、どうでもよい感が強くなって、観るモチベーションが下がり中。麦は基本的に流されるままだし、花火は自らダメな方へと深みにはまっていくし、破滅的な結末になるのだろうか。
『BanG Dream!』
3話が非難轟々という感じでしたが、基本的な流れはある程度決まった上での仕事だと思うので、担当した脚本家が責められるのはちょっと可哀想。「きらきら星」に特別な意味付けがあればよかったのですが、さすがにこれと校歌しか歌えないというのは無理がある。そんな強引な部分はあるものの、4話は良き青春の1ページという感じで、全体としてそこまで悪くなく、様子見。
『南鎌倉高校女子自転車部』
活動が始まったところで、今後どんなドラマが展開するかというところ。
『幼女戦記』
主人公もなんだかんだでヒャッハーしていて楽しんでる感じで、もうこのままでいいんじゃと思う部分も。あと、存在Xを物理的に倒そうとしているところもバカっぽい。
『アイドル事変』
特に化けそうな気配もないので、先行組の感想を読んで、気になっら視聴する感じに切り替え。
『けものフレンズ』 より、おっさんフレンズたちがはしゃぐ『バイプレイヤーズ』の方がたーのしー!件
けものフレンズ』が最近話題になっていますが、私は、1話を10分程観たところで限界が来て、中途離脱してしまい、フレンズになれなかった口です。
子ども向け作品的なものとして捉えるなら、数多ある過去の子ども向け作品より秀でてる面も特に感じず、短編だったら観れていたかもしれませんが、基本的にノリそのものについていけないという所もあり、改めて見始めるかは現段階では未定。フレンズたちにより、深い考察などがなされておりますが、結局、どうなるのかも興味が湧きます。
さて、ここからは、おっさんフレンズこと『バイプレイヤーズ』を紹介します。
概要を紹介すると、中国の動画配信サイトにより、『七人の侍』のリメイクをチャン・イーモウ監督、役所広司メインで製作すると、遠藤憲一、大杉漣、田口トモロヲ、寺島進、松重豊、光石研の6人の名脇役が集められ、絆を深めるためにシェアハウスで3ヶ月間共同生活を送ることに…という導入。この6人は10年前に『バイプレイヤーズ』というオリジナル映画で共演したが、意見のぶつかり合いやトラブルで製作中止になったという過去があり、共同生活の中で、その過去の話を巡る謎を軸にストーリーが展開するといった感じです。
ギスギスした感じで話が進むかと思いきや、衝突はありつつも、和気あいあいとした仲むつまじいおっさんたちの共同生活を眺めるといった楽しみ方をするような、おっさん萌えドラマとなっており、役者個人の魅力が最大限に出ている作品です。
では、ここでおっさんフレンズの生態を一部紹介するね!
プレゼント交換をするおっさんフレンズ
ダンスに興じるおっさんフレンズ
10年前の作品に対する松重の思いを聞いてしんみりするおっさんフレンズ
輪になって肩を揉みあうおっさんフレンズ
あと、引退すると話題になっている清水富美加も4話に出ていて、もしかしたら、これがテレビでは最後の顔出し出演作ということになるかもしれず、ファンは要チェックの作品だよ!
2017年冬季アニメ 視聴継続作品 3話までの感想
1月放送開始アニメ(続編除く)の3話までの感想です。『BanG Dream!』1話の感想も追加。好み順に並んでいます。
『鬼平』
後味の悪い話が続くけど、そこが醍醐味。
『チェインクロニクル ~ヘクセイタスの閃~』
心の弱さと立ち向かうといったことが主題かな。敵から攻撃を受けて、弱さに溺れてしまうと闇落ちして敵化してしまうといった中、主人公にもその兆しがあり、どうなっていくのか。
『ACCA13区監察課』
それぞれの思惑が交差し、これから物語が動き出すといった段階で、しばし静観。
『リトルウィッチアカデミア TVアニメシリーズ』
アニメミライ、劇場版と違う展開を辿っていますが、キャラやノリはそのままなので、やはり初見のように楽しめないところが。アーシュラ先生(シャイニィシャリオ)を巡るエピソードが中盤か終盤メインに展開されると予想でき、そこには期待。
『亜人ちゃんは語りたい』
2話は合理的配慮についての話で、マイノリティの視点をうまく物語に取り入れていて興味深い。男性高校教師がする会話としてはセクハラすれすれな感じもするけど、性に関する話もオープンに語られているのも良くて、あざとく感じないようになっているのは見事。
『風夏』
『セイレン』以上に主人公に都合の良すぎるモテ展開で、美少女ゲームっぽさが強くなってしまっていて、シラケてしまう部分も。
『クズの本懐』
少し自己言及はあったけど、二人が付き合うのは逃げているだけで、あんまり意味がない感じがして、腑に落ちない。あと、クズさやこじらせ方も薄く、恋愛至上主義的なリア充の戯れレベルで物足りないところ。
『セイレン』
ヒロインごとにエピソードがあると最近知ったのですが、そのやり方はちょっと残念で、ある程度芯のある一本のストーリーで頑張って欲しかった。
『BanG Dream!』1話
企画自体は『ラブライブ!』のヒットありきの安易なものという印象が拭えないけど、どう調理して魅力的なストーリーにするのか、スタッフの腕の見せ所。出だしは、ライブの観客が女性だけという違和感がある描写以外は、まずまず。作家の中村航氏がストーリー原案を書いているようですが、個人的に苦手な部類の方なので、どう作用するかちょっと不安。
『南鎌倉高校女子自転車部』
意外としっかりとした青春もので、メンバーが出会い、自転車部始動までのエピソードはなかなか良かった。
『ハンドシェイカー』
今のところ、ありがちなラノベ的バトルファンタジーで、豪勢な作画とちょっと噛み合ってない感じがしてしまう。
『幼女戦記』
存在Xとやらが何がしたいのか、いまいち不明瞭。まあ、気の毒とは思うけど主人公への印象は変わらずで、あとはどう終結させるのかぐらいにしか興味が湧かず。今後、同じように転生させられたキャラも出てくるのかな。
『アイドル事変』
今のところ、全力でネタアニメの道に走っていて、脱力。今後も歌って問題解決というご都合主義が続いたら厳しい。
『エルドライブ』
主人公の落ち込みようがわざとらしい感じがしてしまい鬱陶しいし、作品のノリにあっていない。エヴァのシンジっぽいのは、声にキャラに合わせているのか、キャラに声を合わせているからなのか。
2017年冬アニメ ほぼ全作品1話レビュー
1月放送開始アニメ(続編除く)をレビュー。好み順に並んでいます。未放送の『BanG Dream!』は後で追記予定。
『鬼平』
アニメだからこそできるエグい表現もあり、殺陣も動きを押さえて効果的に格好良く魅せる演出が冴えている。宮繁之監督のこれまでの作品と同様、色彩のこだわりが画面の豪華さをアップしている。
『チェインクロニクル ~ヘクセイタスの閃~』
世界観はありふれているものの、初っ端から主人公がラスボス?にやられて世界が闇に染まるというところから始まり、それなりに意外性はあった。もう一人の主役と思われるキャラによる、チェインの発動と、負けて意気消沈している主人公の闘志が蘇るという展開もなかなか熱くて好み。
『ACCA13区監察課』
同スタッフの前作『ワンパンマン』とは打って変わって、落ち着いた大人の組織ドラマ。陰謀渦めく展開を匂わすなか、どんな世界を見せてくれるのか期待。
『風夏』
いかにも少年漫画的な青春ストーリーで、ヒロインもなかなか魅力的。これからバンド活動に精を出すであろう展開の中、どんなドラマが紡ぎ出されるのか注目したい。
しかし、複雑なキャラデザでもないのに、初回から作画監督が複数おり、ディオメディアの制作体制が不安。
『リトルウィッチアカデミア TVアニメシリーズ』
アニメミライの内容から遡り、入学式からスタート。これから3人が仲を深めていく過程を描くのでしょうが、アニメミライや劇場版を観ている側からすると新鮮味に欠ける。これらとはまた違った道を辿るのかどうか。
『亜人ちゃんは語りたい』
ツッコミどころはあるものの、亜人を通して、マイノリティの立場を描いている感じで、単なる萌えコメディ作品ではないと受け止めましたが、見続けるかどうかは今後の展開次第。
『セイレン』
世界観が繋がっている『アマガミ』は未見でしたが、問題はなく、際立った萌えキャラがいない正統派の美少女ゲーム的作品で、特に抵抗なく観れました。
『クズの本懐』
原作そのままを映像にしている感じはするけど、ゲスくて、生々しい話なのに、作画や演出が、普通の少女漫画アニメという感じで物足りなさがある。ドラマの方は我が地域では観れなので比較できないのが残念。
『アイドル事変』
今のタレント議員が当選しやすい状況を皮肉っている面もあるのかもしれないですが、政策が存在せず、アイドル活動のみですんなり当選というのは、地方議員ならまだしも、国会議員となると、さすがにリアリティ、説得力に欠ける。
シリーズ構成は、『世にも奇妙な物語』の作品をいくつも手がけ、代表作としては『特命係長 只野仁』、『匿名探偵』がある高山直也さんなので、政治を皮肉的に茶化し、ネタにしただけのありがちなアイドルアニメにならないことを期待したいです。
『ハンドシェイカー』
今の段階では、エロ要素は余計で、視聴者を減らす方向に働いてしまっているのではないかという懸念が。
GoHandsの作品は、線の細かいのキャラがよく動いていて目を見張るものがありますが、この作品はちょっと無駄に動かしすぎている感じも。スタッフの負担になっておらず、働きに見合う報酬を貰っているなら何の問題はないのですが。
『幼女戦記』
肝となる設定を考えると、イキって戦争を楽しんでいる感じがただ薄気味悪いだけなのだけど、これから描かれる過去を観れば、ある程度共感出来るようになるのか…
『小林さんちのメイドラゴン』
主役がサバサバしたちょっと中性的な女性というだけで、内実はよくある押しかけ女房的なファンタジー萌えギャグアニメといった感じ。
『南鎌倉高校女子自転車部』
数話しか観ていませんが『ろんぐらいだぁす!』と、やはり多くの要素が被っている印象。背景美術に関しては、こちらの方が素晴らしく、こだわっている感じがします。
『エルドライブ』
少年向けといった様相が強く、深夜作品としては弱い。主人公の性格がちょっと極端で、ウザく感じるところも。
『スクールガールストライカーズ Animation Channel』
ゲームは未プレイ。よくある戦闘美少女学園ものという感じで、面白みに欠ける。
『AKIBA’S TRIP -THE ANIMATION-』
主題歌、ストーリー、作画など全ての要素が、感覚的にはゼロ年代前半ぐらいの感じで、その当時だったら普通に楽しく観ていたかもしれないけど、ちょっと今の自分には厳しい。1話切り。