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さぶかるもん

アニメ歴約20年、ドラマ歴約5年の硬派オタクによる備忘録

ドラマ史に残る映画的名作だった『逃げる女』

ドラマ
NHKのドラマは、昨年は同枠の横山秀夫原作の『64』が素晴らしくて、文化庁芸術祭賞を取りましたが、新年1発目のドラマでいきなりとてつもないものを放ってきました。

まず、ノンフィクション作家の山下柚実さんが『NEWSポストセブン』で、端的に魅力を解説しているので紹介。


このドラマは、不安とそこから生まれる猜疑心による暴力的な衝動を軸にして人間の罪を見つめ、それでも信じられるものは何なのかを梨江子と美緒の交流をメインに描き出すロードムービーで、ドラマ史に残る作品であると思います。

ネット私刑、そして少々唐突でしたがヘイトデモと現代的な問題も取り入れていて、問いかけられるものがいくつもありました。それは利江子を冤罪にした刑事の佐久間のモノローグに端的に現れているので、引用します。


人を信じるというのはどういう事なんだろう。
人を信じられないから人を疑い、それでも信じられないからまた疑う。

人は心に色んなルールを持って生きている。時として人間は、相手が自分と同じルールで生きていると思い込んでしまう。
人はそれぞれ違うルールで生きているんだという事をつい忘れてしまう。
人を信じるというのは相手が自分と同じルールで生きている事を期待する虚しい希望なのかもしれない

役者陣も皆素晴らしかったのですが、特筆すべきは、やはり美緒役の仲里依紗で、これは観ればわかるとしかいいようがないので、是非観て頂たいです。印象に残ったシーンの1つは、梨江子のかばんを自転車でひったくった男を追いかけるところで、この走りがまた凄まじい(笑)

今月始まった、『岩井俊二のMOVIEラボ シーズン2』第一回は「走る」がテーマでしたが、この走りはドラマ史に残る名場面と言っていいでしょう。