さぶかるもん

アニメ歴約20年、ドラマ歴約5年の硬派オタクによる備忘録

話がまともに作れないならポエムを書けばいいと思うよ 『キズナイーバー』&『迷家』の難点 ②

前回の記事はこちら

 
今回は『迷家』についての感想とまとめを書いています。
 

迷家-マヨイガ-

こちらはホラーなので設定の粗はそこまで気になる部分はなかったのですが、何故わざわざ生活環境の不明な都市伝説の村で人生をやり直そうとするとかという動機の説得力が弱い。あと、納鳴村について調べる過程でこはるん父の研究に行き当たらなかったのかなと。
 
そして、30人もの登場人物を捌ききれずに、結局、最後が駆け足展開となってしい、情緒もへったくれもないたたみ方。
 
内容においては、ネタ要素が強く、何を魅せたいのかぼやけてしまっている。これは、現代の視聴スタイルに合わせて話題になりやすくしようとした結果かもしれませんが、トラウマ含めてネタ消費に還元されてしまい、感情移入を妨げる方向に働いてしまっていると思います。そもそも、ホラーものとして全然怖くないのは致命的。
 
結論は、『キズナイーバー』と同じ感じですが、この作品はドライさがあり、しいていえばこちらの方が好みで、登場人物を減らし、キャラの深堀をちゃんとしていれば、いい作品になったんじゃないかなと思います。
 

まとめ

個人的には非常に残念な出来でしたが、世間的に受けてヒットしたなら、企画としては成功なので、そこは納得します。しかし、今のところ1巻の円盤の売り上げは『キズナイーバー』は1300枚程、『迷家』は発売前ですが同程度と見込まれており、商業的には失敗と言えるでしょう。
 
当然、売り上げが全てではないのですが、この2作品は、企画側の姿勢として「流行りからずれていて売れないかもしれないけど、自分たちが信じる良い作品を作ろう」といった類のものではなく、宣伝文句(アニメ業界の先頭を突っ走るヒットメーカーによる奇跡のコラボレーションプロジェクトが始動! by 迷家)等からしても「話題性があり、売れるような作品を作ろう!」という算段が強い面がある企画だと思うので、そこを考えれば、完全に目算が外れてしまった結果だと思います。
 
タイトルで脚本家を揶揄するようなことを書きましたが、脚本家に全ての責任があると思っているわけではなく、スケジュール(予算)の問題、製作委員会方式の問題など、様々な要因が絡んでいて、一様には言えないでしょう。
 
一つの改善案としては、ハリウッドがやっているようなスクリプト・ドクターを導入することが考えられますが、日本には殆どいないようなので、現実的に導入するとしても時間がかかりそうです。
 
とはいえ、仮に製作関係者の多くが、これを自信満々にいい作品だと自負しており、今回は当たらなかっただけ、仕方ない。というような意識でいるとしたら、システムの問題以前の話で対処しようがありませんので、そうではないことを願いたいです。