さぶかるもん

アニメ歴約20年、ドラマ歴約5年の硬派オタクによる備忘録

Netflixオリジナルアニメ『B:the Beginning』 全話視聴感想

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http://www.b-animation.jp/

Netflixで2日に配信開始した『B:the Beginning』を視聴。

アニメーター・キャラクターデザイナーとして活躍している中澤一登さんと、代表作として『キルミーベイベー』、『ダンまち』を監督した山川吉樹さんとの共同監督作品。中澤さんは原作も担当しており、長編シリーズものは初監督。

特殊犯罪捜査課のキースと異形に変身する能力を持つ黒羽(こくう)という少年のW主人公体制で、ジャンルとしては、クライムサスペンスとダークファンタジーが融合した謎解きしつつ話が進んでゆく展開。どちらかといえばメインはキース周りの話で、ファンタジー要素を除いても成立するようなストーリーでもあります。

ファンタジー部分の設定以外は、正直どこかどこかで見たことのあるプロットの組み合わせという感じで、国内外の刑事、サスペンスものを見慣れた人には新鮮さはなく、それらの良質の作品と比べると見劣りする内容と思います。わかりやすいところで言えば、キースのキャラや文字演出なんかは『SHERLOCK(シャーロック)』を意識している感じ満々。

全12話なんですが、ほぼ一本の事件を延々と追うような形になっていて、海外ドラマのスピード感と比べると展開が遅く感じ、密度が薄く冗長になってしまっており、うまく削って2時間弱ぐらいの映画サイズに詰めればもっと体感的に面白さが持続するようになって良かったのではと思います。

脚本の石田勝也さんは、制作進行出身で、脚本家としては過去に単発で2本しかやっておらず、なぜこの方がシリーズ構成に抜擢されたのか謎なんですが、上記の欠点を除けば、サバサバした性格のヒロイン的な女性刑事のリリィのキャラ造詣やコメディ的要素などよい部分もありました。

あとは、アニメーションとして中澤監督こだわりのアクションは見応えがありました。配信ものだとコマ送りして見れないのが残念。

制作のProduction I.GはNetfilixと提携しており、今後も次々と作品が出てくると思いますが、個人的にはテレビシリーズ『攻殻機動隊』で脚本家デビューし、現在はプロデューサー業をしている櫻井圭記さんが関わった作品が見たいなと思います。