このドラマがすごい! 2016
2016年放送のドラマ(SP込み、WOWOW作品除く)の個人的トップ10を紹介。今年は豊作で、来年も期待したいと思います。
1位『逃げる女』
水野美紀演じる西脇を巡る状況と、ぶっ飛んだキャラクターの仲里依紗演じる美緒の境遇などを通じ、時代のざらつきを、うまく切り取って描いていた作品であると思います。二人の逃避行と奇妙な友情が美しくも儚い。
2位『奇跡の人』
いわゆる感動系で、一択のような無鉄砲な熱いキャラは、あまり好きではないんですが、これは福祉くん(あだ名)の存在も含め、客観性を保ちつつ、子育ての尊さや偉大さを実感させるパワーのある作品でした。
3位『ディアスポリス-異邦警察-』
難民問題をうまく台湾ノワール風のエンターテインメントに昇華しており、楽しみながら考えさせられる一品。
4位『トットてれび』
黒柳徹子という人間を通じて、テレビ文化の興隆を華々しく描き、単なるノスタルジーにはなっていない力のある作品。
5位『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』
あざとい展開が目立ち結末も予定調和な感じがしたけど、物語の嘘を月9の特性を生かして、偶然性や必然性に左右され、刹那的に今を生きる若者を描いており、興味深かった。
6位『火の粉』
原作をうまくアレンジし、犯人をセンセーショナルなだけではない、原作以上に深みのあるキャラに仕立てており、演出もキレがあり楽しませる仕掛けが施されて飽きない作り。
7位『スニッファー 嗅覚捜査官』
役者の力もあり、キャラがとてもたっていて、会話劇が楽しく、基本はコミカルながらもストーリーは物悲しい話も多く、ミステリーとしても上質。
8位『海底の君へ』
いじめが残す爪痕をこれまでもかと描いた、意義ある内容でしたが、いくらテレビでこういったメッセージを発しようとも、悲しいいじめ自殺などはなくならず、虚しさが残る。
9位『徳山大五郎を誰が殺したか?』
ミステリーとしてはなんちゃって感はありますが、思春期女子特有の感情や関係性を鮮やかに表現しており、青春ドラマとして優れている。
10位『わたしを離さないで』
ちょっと大人編の展開がメロドラマに偏った感じで物足りなさがありましたが、難しい題材に挑戦した気概を評価。
あと、『獄門島』、『僕のヤバい妻』、『ママゴト』、『スクラップ・アンド、ビルド』、『悪党たちは千里を走る』も非常に良質なドラマで、見て損はないと思います。話題となった、『重版出来』、『逃げ恥』も良かったんですが、自分がドラマに求める面白さと離れたタイプの作品なのでランク外。
役者に関しては、高橋一生さんの活躍が目立ち、総合的に今年のドラマの顔と言ってもいいと思います。